*_*

チャールズ・ブコウスキー『ブコウスキーの酔いどれ紀行』中川五郎訳 マイケル・モンフォート写真 ちくま文庫

昔、まわりで彼を読んでいる人が多かった。 「いいよ。ほんとうに」と熱心に薦める人、「まあ、おもしろいよ」と乾いた笑みを口元に浮かべる人、「いいんだよなー」と独り言のように言いながら視線が遠いところへ飛んでいく人、いろいろな人がいた。今、みん…

『生きるための文学』プチグラパブリッシング

箱入り、シンプルできれいな装丁。 坂口安吾『風と光と二十の私と』 有島武郎『小さき者へ』 宮本百合子『生活のなかにある美について』 梶井基次郎『Kの昇天』 高村光太郎『智恵子の半生』 中原中也『亡弟』 堀辰雄『窓』 以上の作品を集めた短編集。書名が…

西炯子『娚の一生』小学館 フラワーコミックスα

少女漫画の高齢化。 近頃さいきん何でもかんでも高齢化ですわ。ヒロイン35歳、相手役52歳、場所は過疎化が始まった気配のする田舎町。地方と東京、地方の産業構造、バリキャリ女性の生きる道……まったくキラキラ要素がないにもかかわらず、内容は正しく少女漫…

有吉佐和子『和宮様御留』講談社文庫

幕末に徳川将軍へ降嫁した和宮。仁孝天皇の娘、孝明天皇の異母妹。14代・家茂の正室。彼女を題材とした物語。 東下を嫌がった宮の替え玉説は有名だが、この小説がそれにどの程度寄与したか、わたしは知らない。しかしながら、なかなか「本当らしく」感じられ…

井伏鱒二『山椒魚・遙拝隊長 他7編』岩波文庫

古書店で催された読書会の課題図書。 自分からはなかなか手をのばさいだろうという作品を、わりあい真剣に読む動機づけになるのが、この手の会に参加することのよい点だと思う。 読んでいて少しきつかった。山椒魚の言うこと為すこと、あまりに情けないでは…

小沼 丹『清水町先生』ちくま文庫

小沼が師と仰いだ井伏鱒二について語る随筆を集めているが、将棋ついて少しばかり紙が費やされている。原稿を書かなければいけなのに将棋で暮れる一日を、それに付き合った弟子の視点からユーモラスに書いた一篇があり、これは冒頭に配されている。 続いてい…